ボードゲームの中には「マジック:ザ・ギャザリング」など、ごく一部でプロが存在するものもあります。しかし一般的には、ボードゲームというと家庭や友人との娯楽としてのイメージが強いことでしょう。
世界は広いもので、ボードゲーム以外に目を向けると、プロ(つまりそれだけで生計を立てている人)が多数存在するゲームが少なくありません。そしてこれらのゲームに共通するのが、いずれも戦略性や確率論、心理戦が絡み合うということ。技術と経験がものを言うという点では、ボードゲームにも通じる要素が多いのです。
ここではプロが実在するゲームをいくつか紹介し、実際の活動内容や収益源、そして昨今のオンライン環境の影響についても触れていきます。
ブラックジャック
ブラックジャックは古くからプロプレイヤーが存在する数少ないカジノゲームのひとつとして知られてきました。ディーラーと対戦する形式なのでルール自体はシンプルですが、カードカウンティングやベーシックストラテジーといったブラックジャック 必勝法を駆使することで長期的に収益を上げることが可能となっています。
ただし近年はランドカジノでの表立ったカードカウンティングは禁止されているため、プロのブラックジャックプレイヤーはカジノの監視をかいくぐりながらプレイすることが求められます。逆に、オンラインカジノではカウンティングは禁止されていないため、今後はプロの活動の場はネット上へと移行していくのかもしれません。
ポーカー
ポーカーはプロが存在するゲームの代表格とも言えるものです。特にテキサスホールデムは世界中でトーナメントが開催され、近年は優勝賞金が数億円に達することも珍しくなくなりました。プロポーカープレイヤーは確率計算や相手の行動パターンの分析、ベットのタイミングなどを徹底的に解析。運の要素もあるものの、長期的には実力が収益を左右するため、プロとして生計を立てる人々が存在するのです。
チェス
チェスはご存知のとおり、最も古典的なゲームのひとつ。世界各地で公式団体が設立され、段位制度や世界ランキングが存在します。国際チェス連盟(FIDE)ではグランドマスターやインターナショナルマスターといった称号を認定し、これらの称号保持者が大会でしのぎを削っています。
近年のチェスはAI技術の発展によって大きく進化しました。オンラインチェスプラットフォームではプロとアマチュアの垣根を越えて対局できるほか、AIとの練習も可能。特にYouTubeやTwitchではプロプレイヤーが戦術解説や実況を行うなど、新たな収益源を確立しています。
麻雀
日本では麻雀もプロが存在するゲームの代表として進化してきました。複雑なルールと点数計算、読みの力が必要とされる麻雀には、長年の経験と勝負勘が問われるというもの。日本プロ麻雀連盟やMリーグなど複数のプロ団体やリーグ戦が存在し、近年はスポンサー契約やメディア露出によって収入を得るプロ雀士が生まれています。
さらにオンライン麻雀アプリの普及によって、プロプレイヤーが動画配信やイベント対局を通じてファンとの接点を持つことも一般化。AIを用いた牌効率の研究なども進み、プロ雀士の活躍の場はますます広がっていくとみられています。
デジタル・アナログを問わないプロの進化
これらのゲームに共通するのは、運と実力の絶妙なバランス、そして継続的な学習によって勝率を上げられるという点。また、デジタル環境が整備されることでオンラインでの対戦や学習が容易になり、若い世代のプロ参入への道が広がりました。ボードゲームの世界でもこれからは多数のプロが誕生するような土壌がつくられていくのか、楽しみなところです。