- 東京23区で治安が悪い区
- 「治安がいい」且つ「家賃相場が安い」区
これから東京に引っ越そうと思っている人の中には、23区の治安が気になっている人は多いと思います。こちらの記事では、2022年の警視庁のデータ(クリックするとcsvが開きます)を元に、各区の総犯罪認知件数と人口千人あたりの犯罪認知件数を紹介します。
また、そこからわかった「治安のいい区」且つ「物件相場の安い区」も紹介します。
これから東京都内へ引っ越しを計画されている人の参考にしていただければ幸いです。ぜひ最後までご覧ください。
目次
東京治安ランキング
上記は、2022年の東京23区の犯罪認知件数を一覧にしたグラフです。
治安悪いランキング(2022年犯罪認知件数合計)
犯罪認知件数の総数で見ると、こちらが治安の悪いランキングとなります。
次より上位3つの区について、少し深掘ってみたいと思います。
尚、以後のデータは警視庁 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数の令和4年データを元にしています。
1位:新宿区
令和4年の犯罪認知件数が4,820件と一番多かった新宿区ですが、世界有数の繁華街「歌舞伎町」があることが主要因となります。それを証拠に、町別で犯罪認知件数の上位を見ると、このようになりました。
- 新宿区新宿3丁目:699件
- 新宿区歌舞伎町1丁目:584件
- 新宿区歌舞伎町2丁目:446件
新宿3丁目や歌舞伎町は、住む場所というよりも歓楽街のど真ん中といった場所です。
よって治安の悪い区ランキングでは1位となってしまいましたが、それらエリアを避ければ必要以上に怖がることもないでしょう。
事実、住宅街エリアだと年間一桁しかない場所もありましたので、心配な方は前述の警視庁データを確認してみましょう。
2位:世田谷区
3,676件と2番目に犯罪認知件数が多かった世田谷区。
- 世田谷区北沢2丁目:167件
年間の犯罪認知件数が3桁を超えるエリアは、飲み屋や飲食店の多い下北沢の一角のみでした。
ここからも分かる通り、世田谷区が2位に入った理由は新宿区とは全く別ものとなります。
それは何かというと、ズバリ人口の多さ!
区 | 人口 |
---|---|
世田谷区 | 937,615人 |
練馬区 | 750,075人 |
大田区 | 740,312人 |
こちら、東京23区の人口の多い区Best3となるのですが、ご覧の通り世田谷区は段違いに人口の多い区となるのです。
人口が多ければ犯罪も必然的に多くなってしまうというもの。新宿区同様、町単位で見れば犯罪認知件数が年間一桁のエリアもありますので、気になる人は確認してみましょう。
3位:足立区
世田谷区との僅差の3,664件で、第3位は足立区となりました。
人口数Best3には入りませんでしたが、それに次ぐ規模の人口692,322人(令和4年2月データ)を有する区であるため、犯罪件数も多くなってしまったようです。
- 足立区西新井栄町1丁目:129件
- 足立区千住旭町:112件
尚、令和4年の年間犯罪認知件数で3桁を超えた足立区内のエリアは、上記の通りとなりました。足立区も年間一桁エリアはありましたので、気になった人は前述の警視庁データから調べてみてください。
治安悪いランキング(2022年人口千人あたりの件数)
先ほどは区ごとの犯罪認知件数の総数でしたが、こちらは人口千人あたりの割合で算出したランキングとなります。
新宿区は被っていますが、先ほどのランキングと比べるとかなり違う顔ぶれとなりました。上位3つの区を少し見てみましょう。
1位:千代田区
千代田区が1位というのは意外な結果ですよね。ただ、この理屈は簡単です。
千代田区の人口=66,687人
千代田区の犯罪認知件数=2,033件
千代田区は、東京23区の中でも唯一人口10万人を切るエリアとなります。そのため、必然的に人口あたりの犯罪認知件数でいうと、どうしても多くなってしまう傾向にあるようです。
ただし、犯罪件数の多いエリアもあります。
- 千代田区丸の内1丁目:329件
- 千代田区外神田1丁目:148件
- 千代田区丸の内3丁目:126件
- 千代田区有楽町2丁目:114件
この辺りが年間3桁を超えるエリアとなりました。
千代田区は住む場所というよりもお仕事をする場所といった側面が強く、ここにあるエリアは特にそうだと思います。引っ越しのため治安を調べている人にとっては役に立たない情報かもしれませんが、一応覚えておきましょう。
2位:中央区
2位の中央区も千代田区同様、人口が少ないエリアであることから、このランキングで上位に入ったように感じます。
中央区の人口=170,475人
中央区の犯罪認知件数=2,588件
ただ、1箇所犯罪認知件数が突出して多いエリアがありましたので、そちらを紹介します。
- 中央区八重洲1丁目:1,168件
中央区の年間犯罪認知件数の45%が八重洲1丁目に集中している計算となります。
八重洲1丁目といえば、東京駅を含む一等地。ここに引っ越せる物件はないと思いますが、犯罪認知件数が突出しているため、頭の片隅に入れておきましょう。
3位:新宿区
新宿区の人口=346,028人
新宿区の犯罪認知件数=4,820件
新宿が3位になったのは、先ほども紹介した通り犯罪認知件数の総数が1位になるだけあり、そもそもの犯罪数が多いからとなります。
また、それに対して人口も世田谷区や足立区などと比べると多くないのも理由と言えるでしょう。
治安がいいけど家賃が安い区
結論を先にいうと、練馬区・杉並区・板橋区・大田区・世田谷が「治安がいい」と「家賃が安い」を両立した区となります。
治安がいい区
まずは治安がいい区について整理しましょう。
ここでの「治安がいい」とは、区内の人口千人あたりの犯罪認知件数が少ない順としました(=犯罪に巻き込まれる割合が少ない)。
特質すべきは、犯罪認知件数総数の治安が悪いランキングでも登場した「世田谷区」「大田区」が入っていることではないでしょうか。
二つの区は人口が多いことから犯罪の母数も多くなっていますが、逆に人口が多い分、区民あたりの犯罪認知件数は他の区と比べ少なくなるようです。
物件相場が安い区
続いて物件相場が安いエリアですが、これら区が挙げられます。
例えば、ワンルーム賃貸の平均相場は江戸川区が一番安い傾向にあり、2LDKでも同じく江戸川区が一番安いようです。次いで、練馬区・足立区となります。
また、分譲物件の相場だと、葛飾区や足立区が一番安くなるようです。
このように賃貸と分譲でも若干様相は変わってくるのですが、それらを総合してみると、上記表の一番右側のポイントの通りとなりました。
そこに先ほどの治安が良い区をマッピングすると、冒頭でお伝えした練馬区・杉並区・板橋区・大田区・世田谷が「治安がいい」と「家賃が安い」を両立した区となります。
治安と家賃が安い区の総括
- 新宿区
- 足立区
- 世田谷区
- 千代田区
- 中央区
- 新宿区
犯罪認知件数の総数で見た場合と人口あたりで見た場合で、治安の悪いエリアはかなり変わってくることがわかりました。
また、「〜区」と一つに括るだけでなく「〜町〜丁目」まで分解すると、犯罪認知件数も大きく変わってくることもわかりました。
さらに、千代田区・中央区はそもそも区民の人口が少ないため、人口割合で見るとどうしてもネガティブに見えてしまいます。シンプルに犯罪認知件数の総数で治安は判断した方が良いかもしれません。
他にも、治安がよく物件相場が安いエリアとして、練馬区や杉並区、板橋区などが挙げられることもわかりました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!ここまでの内容が東京23区内への引っ越しの参考になったなら幸いです^^